(論点)解散・みなし解散後の法人名義の自動車の名義変更手続

2024年09月04日

法人の解散やみなし解散登記後に、法人名義の自動車の名義変更手続きについて解説いたします。本来は、解散前に代表名義に変更するなどしておいた方がいいのですが、うっかり忘れてしまっていたという場合も想定されます。ぜひ参考にしてみてください。どうしてもわからない場合には、自動車登録専門の行政書士にご相談ください。

目次

1.自動車の所有権について

2.清算中の場合の手続

3.清算結了まで終わっている場合


1.自動車の所有権について

 自動車を法人名義で所有することは一般的ですし、その後も個人と同様に手続きが行えます。しかし、法人が解散する際には(清算手続き)が必要となります。

 清算とは、会社が設立から解散までの債権・債務を整理し、残った財産をすべて換価処分する手続きです。自動車も法人の財産に含まれるため、不動産などと同様に処分手続きを行う必要があります。さて、法人が解散した場合、どのような手続きになるのでしょうか。また、解散後の法人の手続きは、清算結了まで終わっているケースと、清算結了前の解散の状態の場合とが考えられます。それでは、見ていきましょう。

2.清算中の場合の手続

 自動車の名義人である法人が清算中の場合(清算結了前)、解散前の法人と同様に印鑑証明書を法務局で取得することが可能です。※解散登記の時に精選人の選任就任登記のほかに印鑑の届出をすることで、今までの「代表取締役」から「代表清算人」という肩書に変更することができます。そして、変更した内容での印鑑証明書を取得できます。この印鑑証明書は、清算中の法人であっても有効ですので、通常の自動車の名義の変更などと同様の手続きとなりますので、以下の書類で所有権の変更ができます。

 ①印鑑証明書(法人)

 ➁譲渡証明書

 ③実印(法人)

 またこの時一点注意しなければならない点があります。それは、自動車の名義の行き先です。例えば、名義を法人から代表清算人など、法人役員のどなたかに移転する場合、清算法人の財産を清算人等に移転することが「利益相反行為」となるために、上記書類のほかに、清算人に移転登録することを承認した株主総会議事録の添付が要求されます。清算会社の役員の方でなければ、この株主総会議事録は不要です。

3.清算結了まで終わっている場合

 清算結了とは、法人が解散後に行う清算手続きが全て完了し、法人としての全ての活動が終了した状態を指します。清算手続きでは、債権の回収や債務の支払い、財産の換価と分配が行われます。これらが全て完了した段階で、清算結了の登記が行われ、法人格は消滅します。清算結了により法人は法的にも完全に消滅し、これ以降は法人としての権利義務関係が一切なくなります。

 つまり、法人名義の自動車を清算過程で見落としていた場合などの原因が考えられます。すでに、法人は閉鎖されている状態になっているわけです。もちろん、印鑑証明書も取得できなくなります。このような場合、法人名義の自動車の登録名義の変更するためにはどのようにすればいいのでしょうか。

清算結了している場合の陸運局に提出する自動車譲渡に関する添付書類

 ①車検証

 ➁元清算人個人の印鑑証明書

  ※すでに法人の印鑑証明書は取れないため

 ③譲渡証明書(元清算人の実印押印)

 ④実印付き委任状(行政書士などに依頼する場合)

➄清算結了した法人の閉鎖事項全部証明書

⑥清算結了に係る顛末書

  ※「本件について間顔が生じた場合は私(元清算人)が責任をもって処理し、貴職には一切ご迷惑をかけないことを誓約いたします。」旨の文言が含まれた元清算人個人の実印が押印された書類。

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