息子が既に他界しており、私の財産はどうなるのか?

2022年12月05日

こちらは、事務所に来訪された方の相談でした。事前に電話での予約がありましたので、土曜日午前中の対応をいたしました。一人息子様は、既に他界されており、息子様には子供はおらず、父親の配偶者も既に死亡されていました。いったい財産はどうなるのかと、神妙な面持ちで相談に来られていました。

まず、相続順位について解説いたしました。第1順位は子供、第2順位は親、第3順位は兄弟姉妹となります。今回のケースですと、ヒアリングで息子様は既に他界され、その息子様に子供がいないため「代襲相続」者はいません。ご両親も随分前に亡くなられておりました。第3順位の兄弟姉妹ですが、こちらもいらっしゃらないとのことでした。

ご相談者様から「国庫に帰属すると聞いたのですが・・・」と話がありました。

確かに国庫に帰属することはありますが、相続人不存在として、財産を国庫に帰属させるためには、利害関係人が相続財産管理人選任を裁判所に申立てるために、数十万円の予納金を納め、手続きが完了したときに国庫に帰属します。誰も申し立てなければ、財産は手付かずになってしまいます。

「え、そんなにかかるのですか?じゃあ、どうすればいいのでしょうか?」

遺言書をお勧めいたします。公正証書遺言ですと、公証役場でご本人の立会と証人2人の立会のもと、公証人が作成しますので、形式の不備はありません。ただし、費用がそれなりにかかります。一方、自筆証書遺言ですと法務局保管制度を利用すれば3900円かかりますが、法務局保管しなければ費用は掛かりません。しかし、形式不備により、せっかく作った遺言書が無効になってしまう可能性があります。財産は、お世話になった方に遺贈、団体に寄付といったことが可能です。

今回は、財産についてのお話でしたが、ご自身が認知症や介護施設に入所するということになる場合には、任意後見という選択もあります。事前に、どなたか後見人になっていただくようにお話をしておいたほうが良いかと思います。

後日、公正証書遺言サポート及び親戚の方を後見人とする任意後見契約と死後事務委任契約書の作成のご依頼がありました。

<