(論点)敵意帰属バイアスによる認知のゆがみ

2024年06月22日

妻の職場事務効率化のためにシステムを導入しましたが、妻の携帯電話では登録ができず、いろいろと事務の方と話をしているうちに、突然怒りながら、紙での申請を説明されたとのこと。これ、敵意帰属バイアスが働いてしまったために起こった出来事だと思います。それでは、解説していきたいと思います。

目次

1.事の始まり

2.敵意帰属バイアス

3.敵意帰属バイアスによる認知のゆがみ

4.まとめ


1.事の始まり

 先日、妻が憤慨して私に話しかけてきました。それは、職場で事務効率化のためにあるシステムを導入したのですが、登録の際にエラーが出てきてしまい、解決策を事務員や店長に聞いても全くらちが明かず、初めのうちは笑顔で対応していた事務員でしたが、終いには怒りながら、オンラインではなく紙での申請の手続きについて説明をしたそうです。本部からは、オンラインで行うように指示がありましたが、登録メニューに携帯電話会社の3大キャリアの名前しかなく、その携帯電話会社に契約をし直せとまで言われたみたいです。安いプランで現在使っている携帯をわざわざ高いプランで契約しろという権利など、あるはずもありません。なぜ、こんな無理難題を言ってきたのでしょうか。そして、そもそも事務員はなぜ怒ってしまったのでしょうか。

2.敵意帰属バイアス

 敵意帰属バイアスというのは、しばしば、実社会で見られます。例えば、私が若かりし頃、会社の会議で、ひとしきり今後の会社の方針について説明があったのちに、「若者の忌憚のない意見を聞きたい。」と言ったので、忌憚のない意見を言うと「黙れ若造。」とののしられた経験があります。言えといったから言ったのに、とてもおかしな状況ですよね。

 敵意帰属バイアスは、他人の言動や行動や意図を故意の攻撃や敵意によるものと解釈する認知バイアスです。なぜそのようなことが起こるのかというと、自分が用意していた答え(会社の今後の方針を役員の方たちから説明を受けて、自分の理解している範囲で説明をしたこと)と異なる意見が出てきてしまったために過剰に反応したのだと思います。

3.敵意帰属バイアスによる認知のゆがみ

 今回の妻の事例でも、本部から説明を受けているのに、パソコンに詳しい妻に逆に問題点を指摘され、説明をする一方的立場から、何らかの対応をしなくてはいけなくなってしまったためだと考えます。そして、「私の説明(努力)を台無しにした」と思い込んでしまい、妻が敵意を向けてきたと錯誤してしまったために起こった現象と考えます。

 敵意帰属バイアスがかかったとき、相手が言っている意図や考えをすべて敵意ととらえてしまい、それが顔に出てしまったのでしょう。そして、表情だけでなく、そもそも使えないシステムに合わせないとだめだと、明らかに誤ったことを言い始めたわけです。

 もうわかったと思いますが、話がすり替わっているんです。システムの説明をする立場の事務員の仕事は、システムをどうにか使えるように一般職員に説明をすることであるし、問題が起これば、上司に報告をすればいいだけです。そして、問題点を本部にあげたときに、その仕事は、本部からに回答を待つ状態になるわけです。システムを開発した方でもないので、システムが抱える問題を自分で抱える必要性などないわけです。ですが、元エンジニアの私が妻にわかりやすく説明をして、その内容を話したときに、「想定外」と感じてしまったのでしょう。こうなると、事務員の方は正常な判断ができなくなり、話は平行線になってしまうわけです。何を言っても敵意ととらえられてしまう。何とかその場を逃れるため「あなたの携帯電話の契約が良くない」と、頓珍漢な説明をしだすわけです。この一連のやり取りの後、その時受けた妻のショックについての愚痴を私が聞く羽目になるんです。

4.まとめ

 敵意帰属バイアスが発動した相手への対処法は、もうこれ以上関わらないことです。これ以上、相手に敵意を作る材料を与えないということです。

 敵意帰属バイアスの認知のゆがみは、自身の劣等感からきているものです。そのため、自分に劣等感を抱えている限り(システムの説明をうまく言えないという劣等感)、また同じような事態を再現し続けることでしょう。なので、関わらないということが最善策となります。

 理不尽を言語化すると、対処法が明確になっていきますよね。

最新のブログ記事

令和7年1月15日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

東洋哲学は、アジア地域を中心としたさまざまな哲学的伝統や思想体系の総称で、特に中国、インド、日本、韓国などの古代から続く思想がその主軸となっています。これらの哲学は、西洋哲学とは異なる視点から世界や人間の本質、そして倫理や道徳について考察しており、しばしば自然との調和や内的修養を重んじる特徴があります。ここでは、東洋哲学の主要な教えとその詳細について探っていきます。

不動産登記簿に記載されている名義人の住所が、平成の大合併前の古い住所である場合、その住所の扱いには地域によって違いが生じることがあります。特に香川県の法務局では、「読み替え」という取り扱いが行われることがあり、この措置により、住所変更登記をせずに、登記簿上の旧住所が新しい住所として認められる場合があります。この記事では、不動産登記簿に記載された名義人の住所に関連する手続きの概要について、以下の2つのポイントを中心に説明します。

相続手続きにおいて、被相続人名義の不動産登記簿上の住所が現在の住所や証明書類とつながらない場合、特定の対応が必要となります。通常、住所の証明には住民票の除票や戸籍の附票が利用されますが、これらが廃棄されている場合もあります。特に、除票や附票は保存期間が限られており、令和元年6月20日以前は、除票、附票は5年で廃棄されていたため、長期間経過している場合、これらの書類を取得することができませんでした。そのような場合でも、いくつかの代替手段が存在します。本記事では、住所を証明するための方法と、それが困難な場合に取られる追加の手段について解説します。令和元年6月20日以降は150年間と変更されました。

<