(論点)公正証書遺言の作成にかかる手数料等について

2024年08月02日

公正証書遺言を作成する際の費用について説明します。公証役場での公正証書遺言作成費用は、基本手数料、書類の取り寄せ費用、証人の日当、専門家への報酬など、複数の要素で構成されています。

目次

1. 公証役場手数料

2. 書類の取り寄せ費用

3. 証人の日当

4. 公証人の出張費用

5. 専門家への報酬

まとめ


1. 公証役場手数料

公証役場の基本手数料は、遺言に記載する財産の価額によって異なります。具体的な費用は以下の通りです:

財産が100万円まで:5,000円

100万円超200万円まで:7,000円

200万円超500万円まで:11,000円

500万円超1,000万円まで:17,000円

1,000万円超3,000万円まで:23,000円

3,000万円超5,000万円まで:29,000円

5,000万円超1億円まで:43,000円

1億円超3億円まで:5,000万円ごとに13,000円加算

3億円超10億円まで:5,000万円ごとに11,000円加算

10億円超:5,000万円ごとに8,000円加算

さらに、全体の財産が1億円以下の場合には、基本手数料に11,000円が加算されます。また、遺言書の枚数によっては、謄本手数料(コピー代)が3,000円から5,000円程度加算されることがあります。

※ポイントは、遺産を渡す各相続人を基準に算定し、合計額が手数料となります。遺産の総額で手数料を計算するわけではありませんので注意が必要です。

2. 書類の取り寄せ費用

公正証書遺言を作成するためには、各種書類が必要です。これらの書類の取得には費用がかかります:

戸籍謄本:1通450円

印鑑証明書:1通300円

住民票:1通300円

評価証明書(不動産1物件):300円

登記事項証明書(不動産1物件):600円

※各自治体により、書類意取得の手数料の金額が異なります。取り寄せる書類を管理している自治体に確認してください。

3. 証人の日当

公正証書遺言の作成時には、証人2名の立ち会いが必要です。証人を専門家や公証人役場に依頼する場合、1名につき7,000円から15,000円程度の日当がかかります​。(高松市の場合1名5,000円)知人に頼む場合は、この費用はかかりません。

ただし、証人は誰でもいいというわけではなく、一定の要件があります。

公正証書遺言の証人となるためには、以下の要件を満たしている必要があります:

①成人であること:証人は20歳以上の成人である必要があります。

➁遺言者の直系尊属・直系卑属ではないこと:遺言者の両親や子供などの直系尊属・直系卑属は証人になることができません。

③遺言者の配偶者ではないこと:遺言者の配偶者も証人になることができません。

④遺言の受益者やその配偶者、直系尊属・直系卑属ではないこと:遺言により利益を受ける者、その配偶者や直系尊属・直系卑属も証人になることができません。

➄未成年者や成年被後見人、被保佐人ではないこと:法律上、未成年者や成年被後見人、被保佐人は証人としての資格を持ちません。

これらの要件を満たすことが、公正証書遺言の証人として適格であることを確認するために重要です。つまり、近しい家族にお願いする場合、要件を充たさない場合があります。

4. 公証人の出張費用

遺言者が公証役場に行けない場合、公証人が自宅や病院などに出張することも可能です。この場合、手数料が1.5倍に加算され、公証人の日当として1日あたり2万円(4時間以内の場合は1万円)が必要です。また、交通費も実費で請求されます。

5. 専門家への報酬

公正証書遺言の作成を弁護士や司法書士などの専門家に依頼する場合、その報酬が発生します。報酬の額は依頼する事務所や業務の範囲によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が相場です。

まとめ

公正証書遺言の作成には、遺言に記載する財産の価額によって手数料が変動する基本手数料、必要書類の取り寄せ費用、証人の日当、そして公証人の出張費用などが含まれます。また、専門家に依頼する場合はその報酬も考慮に入れる必要があります。これらを総合して計画を立てることが重要です

まずは、専門家への相談をして検討してみてください。

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