(改正情報)住所変更登記を登記官の職権で行うための準備と申出書について

2025年03月12日

令和8年4月1日より、法務省は登記官が職権で住所変更登記を行う制度を導入します。この新制度の実施に先立ち、名義人との連絡を円滑に進めるための手続きが整備されます。本記事では、法務省のホームページに掲載された情報を基に、「検索用情報の申出書」および登記申請書の追加項目について詳しく説明します。これらの新たな手続きは、登記実務における効率化を目指し、住所変更にかかる煩雑な手続きを軽減するものです。

目次

  1. 新制度の概要
  2. 検索用情報の申出書とは
  3. 登記申請書の追加項目
  4. 制度導入の目的と期待される効果
  5. まとめ

1. 新制度の概要

 令和8年4月1日から、法務省は登記官の職権で不動産の名義人の住所変更を行う新制度を開始します。これにより、従来は不動産所有者自身が行っていた住所変更の手続きを、登記官が一定の条件を満たす場合に職権で実施することが可能になります。この制度導入の背景には、長期間にわたり住所変更がされていない不動産の登記簿の正確性を保つ目的があります。

2. 検索用情報の申出書とは

 新制度の運用に伴い、不動産名義人との連絡を円滑に行うために、令和7年4月21日より、登記申請情報の追加項目と「検索用情報の申出書」が導入されます。この申出書は、名義人の連絡先情報を法務局に提供するための書類です。具体的には、以下の情報を記載する必要があります。

  • 名義人の現在の住所
  • 名義人の連絡先(メールアドレスなど)
  • 登記されている不動産の詳細(所在、地番など)

 これにより、法務局が迅速に名義人にコンタクトを取り、職権での住所変更に関する通知を行うことが可能になります。申出書の提出は任意ですが、名義人が積極的に情報を提供することで、よりスムーズに手続きが進行することが期待されます。

3. 登記申請書の追加項目

 住所変更登記に関する登記申請書には、新たに追加項目が設けられます。この追加項目では、従来の項目に加え、名義人の「検索用情報」を申請書に記載することが推奨されています。これにより、登記官が職権で住所変更を行う際の確認作業が簡略化され、手続きが迅速に進むことが期待されます。

 追加項目としては、以下の情報が求められます。

  • 現在の居住地の情報
  • 名義人の連絡先(メールアドレス)

 これらの追加情報は、名義人との連絡や職権による手続きがスムーズに行われるために重要な要素です。

4. 制度導入の目的と期待される効果

 この新制度の導入は、不動産登記簿の正確性を保つとともに、名義人にとっても住所変更の手続きを簡略化することを目的としています。具体的には、長期間にわたり住所が更新されていない不動産について、登記官が職権で住所変更を行うことで、登記簿が常に最新の情報に保たれることが期待されています。

 また、この制度により、所有者が高齢化や転居に伴って自ら住所変更手続きを行えない場合でも、登記官が代行することで手続きの負担が軽減されます。さらに、法務局が名義人の連絡先を把握していることで、必要に応じて迅速に連絡を取ることが可能となり、不動産に関するトラブルの予防にもつながります。

5. まとめ

 令和7年4月21日から導入される登記官による職権での住所変更登記制度は、不動産登記における手続きを大幅に効率化する重要な改革です。この制度の導入に伴い、名義人との連絡を円滑に行うための「検索用情報の申出書」と登記申請書の追加項目が新たに設けられました。これらの手続きは、登記簿の正確性を保ち、不動産に関する問題の未然防止にも寄与します。名義人は、積極的に情報を提供することで、今後の手続きがスムーズに進むことが期待されます。

最新のブログ記事

令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

開業して3年目を迎える司法書士として、初年度は積極的に営業活動を行いましたが、主に「不当誘致」の問題に悩まされ、成果を上げることができませんでした。その後、紹介を基盤とする営業へ転換し、異業種の士業と連携することで案件が増加しました。一方、インターネット集客にも力を入れており、現在の課題はコンバージョン率の改善です。これからも計画的に改善を進め、さらなる成長を目指します。

自己分析や企業戦略において、SWOT分析は広く利用されており、自分や組織の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)を把握することが目的とされています。しかし、SWOT分析を通じて弱みを強みに変えることが必須ではないという新しい視点が注目されています。むしろ、強みをさらに伸ばし、弱みは適切に補完することがより効果的であると言われています。本稿では、SWOT分析を活用する際に、「弱みを強みに変える」ことに固執するのではなく、強みを強固にすることの意義や、弱みを補完するアプローチについて考察します。

共同通信の記事によると、2026年から本格化する「電子戸籍」の活用では、マイナンバーカードや新たに導入される「マイナ免許証」が重要な役割を果たすことが期待されています。具体的には、戸籍情報の取得や提供がデジタルで行われることにより、これまでの紙の戸籍謄本の提出が不要になるという利便性が強調されています。

<