相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年1月15日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
身元保証サポートというサービスがあるのですが、客先から調べてほしいと依頼があり、調査した内容について解説したいと思います。サービス提供する会社によって、大きく異なることがわかりましたので、「こんなはずではなかった」とならないように参考にしていただければと思います。また、問題を起こしている団体のほかに、身元保証サポートサービスを健全化しようとしている団体もあります。すべての団体が悪いわけではありませんので、予めお知らせしておきます。
目次
1.おひとりさまの身元保証サポートとは
2.具体的な契約について
3.おひとりさまの身元保証についてかかる費用
4.おひとりさまの身元保証の任意後見契約、死後事務委任契約の必要性
5.身元保証サポートの最大の問題点
6.まとめ
「おひとりさま」とは、一人暮らしや独身者を指す言葉であり、人口の増加に伴い注目されている社会現象です。おひとりさまの中には、親族や友人のいない方もいらっしゃいます。こうした方々は、万が一に備えて身元保証が必要になる場合があります。身元保証とは、契約や貸借などにおいて、債務を履行できなくなった場合に、代わりに支払いを行うことを保証するものです。
身元保証事業を健全に行う場合には、
①「公正証書遺言」
➁「任意後見契約」
③「死後事務委任契約」
④「事務委任契約」
➄「医療・介護に関する意思表示宣言公正証書」
⑥「預託金に関する財産管理契約」
の6つの公正証書が必要となります。さらに紹介元が信託銀行であったり、すでに後見人に弁護士がついている場合には別途の覚書が必要となります。
※「身元保証人」と一緒に「連帯保証人」である事が求められるため、 利益相反の観点から身元保証人と任意後見人は兼任できないことに注意。
おひとりさまの身元保証にかかる費用は、以下のようなものがあります。
①保証人にかかる費用
身元保証をする場合には、保証人が必要となります。保証人にかかる費用としては、保証料があります。保証料の金額は、借り入れ額や借り入れ期間、借り入れ者の信用度などによって異なります。また、契約書の作成費用や登録手続きの費用などもかかる場合があります。
➁貸主にかかる費用
貸主がおひとりさまに対して身元保証を求める場合にかかる費用としては、審査費用や手数料、保険料などがあります。これらの費用の金額は、金融機関や商品によって異なります。
③死後事務に係る費用
ご本人死亡後に、ご遺体の引き取り、葬儀、火葬、埋葬、遺品整理、病院費用・介護施設利用料の清算、行政機関への手続きなどに係る費用。
④その他の費用
身元保証に関連して、その他の費用がかかる場合があります。例えば、賃貸借契約の場合には、地方自治体によって登録手続きが必要となることがあります。この際、登録手続きにかかる費用がかかる場合があります。
以上のように、おひとりさまの身元保証にかかる費用は、保証人や貸主、登録手続きなどによって異なります。適切な金額がいくらなのか判断できない場合には、専門家に相談するか、同様のサービスを提供している複数の団体と比較して契約内容に照らし合わせ妥当かどうかの判断をすることをお勧めしております。
大手司法書士法人が提供する「死後事務委任契約」に基づく預託金額は、約80万円ほどです。
また、大手身元保証サポート運用法人の「死後事務委任契約を含む身元保証契約全般」の預託金額を100万円から200万円の間とされていました。生前の保証契約の預託金が含まれるため死後事務委任契約以外の預託金額は、約100万円ほどになることになります。
※これらの金額は、絶対的に必要となるものではありませんので、ご契約の際に契約先に予めご確認ください。
おひとりさまの身元保証において、任意後見契約や死後事務委任契約が必要かどうかは、個人の状況によって異なります。以下に、それぞれの契約の必要性について説明します。
①任意後見契約
任意後見契約とは、高齢者や障害者などの自立支援を目的として、契約者が事前に後見人を指定し、任意後見制度を利用することです。任意後見制度を利用することで、後見人が必要な場合に円滑に後見手続きを進めることができます。おひとりさまが高齢者や障害者である場合や、将来的に自分が判断能力を失う可能性がある場合には、任意後見契約を検討することが必要となる場合があります。
➁死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、遺族や友人知人などが自分の死後に自分の財産や葬儀などの手配を引き受けることを契約するものです。おひとりさまが将来的に病気や事故で急逝する可能性がある場合や、遺族や友人知人がいない場合には、死後事務委任契約を検討することが必要となる場合があります。
以上のように、任意後見契約や死後事務委任契約は、おひとりさまの状況や将来的なリスクに応じて必要性が生じる場合があります。具体的には、専門家や自治体の担当者などに相談することで、自分にとって必要な契約かどうかを判断することができます。
第一に、身元保証サポートのサービスについて、法律上の整備がなされていません。それゆえに、各社サービス内容もまちまちです。金額が安いからということで契約しても、実際のサービス内容が、契約者にとって満足いくものとは限りません。
第二に、預託金を信託口口座など、安全な場所に保管管理できていないケースもある点です。自社の口座で管理していた場合、破産した場合、そのお金は債権者に差し押さえられてしまい、回収することはできないでしょう。
第三に、サービス提供会社の中には、「公正証書遺言」の内容に、「団体(法人)への寄付」を義務付けている場合があります。過去の判例で、とあるNPO法人がこれをしていたため、甥・姪から相続の侵害として訴えられ、最高裁で「無効」との判決が出ました。しかし、このケースでは、権利を侵害された相続人がいたために発覚したことであり、身寄りのない「おひとりさま」の場合、未だにこのようなことをしている団体(法人)があるそうです。
「お世話になった団体に寄付して何が悪いんだ」との反論も聞こえてきそうですが、考えてみてください。あなたが重病を患い多額の医療費がかかるとき、医者と身元保証人との間で、あなたは治療してもらいたくても、あらかじめ決めておいた医療の方針を実施するとの話し合いがあった場合、どうすることもできません。悪い言い方をすれば「多額の治療費を使って治療すること=将来、団体が受ける実入りが減る」の関係になってしまっているため、果たして寄付前提の契約をした身元保証人が、あなたのご意見を聞いてくれるか疑問です。もちろん、寄付の義務を要求する団体・法人ばかりではありませんし、適切に身元保証サポートサービスを運用されている団体・法人もあります。
このように、まだ法整備のない状態で運用されている身元保証サポートについては、契約先については慎重に選択することが必要です。
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