相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年2月12日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
令和6年4月1日より開始される「相続登記義務化」が迫ってきております。農地の所有者が生前、すでに売買をしていた場合、相続登記が必要になってくる場合と、不要な場合があります。これは、農地法3条許可のタイミングによります。今回は、その判断基準などを解説してまいります。
目次
1.一般的な農地の相続登記
2.農地を被相続人が第三者に売却していた場合
3.知事の許可を停止条件とする農地の所有権移転の仮登記の基づく本登記
4.買主側の死亡による相続発生は?
5.まとめ
1.一般的な農地の相続登記
一般的に被相続人(亡くなった方)が、生前に売買などの行為をしていなかった場合には、所有権の名義変更(相続登記)をしたのちに、公図及び相続登記完了後の登記簿を届出書とともに農業委員会に提出する必要があります。これは、「農地法3条の3の届出」を相続発生時から10か月以内に届出をしなければならず、届け出を怠った場合には、10万円以下の過料に処せられることがあります。
2.農地を被相続人が第三者に売却していた場合
しかし、生前に被相続人の方が当該農地を第三者に売却する場合には、届出ではなく「農地法3条の許可」が必要となります。窓口は同じ農業委員会となるのですが、許可申請をして許可が下りるまで、審査を伴いますので一定期間を要します。所有権の名義の変更の日付は、相続の場合と異なり、許可申請前に契約書を締結している場合には、その原因日付は「農業委員会の許可が下りた日付」となります。
売買契約は既に締結しているとして、その後、被相続人の死亡日により対応が違ってきます。
①農地売主が死亡した後に農地法3条の許可があった場合
所有権移転の名義変更の原因日付が、農業委員会の許可が下りた日付と言いましたが、つまり、許可日までは、その農地の所有権は「売主である被相続人のもの」となります。
よって、売主から相続人へ相続登記が必要となります。(昭40.3.30民三309号)
➁農地売主が農地法3条許可の後に死亡した場合
①からわかるように、許可が出ている段階で買主の所有物ですので、相続人協力の元、被相続人名義から、買主名義への所有権の名義変更となります。
3.知事の許可を停止条件とする農地の所有権移転の仮登記の基づく本登記
そもそも仮登記って何ですか、ということもありますので、少し説明をすると、所有権移転登記したい、でも、書類がそろわない(印鑑証明書や住民票の写しなど、誰でも取得できるものはだめで、権利証や承諾証などが該当します。)等の理由で所有権の名義変更ができない場合、登記簿の順位を確保するためにする投機のことを言います。文字通り仮の登記ですので、本物の所有権というわけではないのです。ですので、その後、書類がそろうなどした場合、「本登記」をすることにより、正式な所有権を取得したことを登記簿上に表示できます。
仮登記に停止条件を付けることができ、知事の許可を停止条件とする農地の所有権移転の仮登記をしている場合、許可が出たときに本登記をすることができます。
それでは、「知事の許可が出る前に売主が死亡した場合」にはどうなるのでしょうか。
「知事の許可を停止条件とする農地の所有権移転の仮登記に基づく本登記をする場合において、右知事の許可前に所有権登記名義人が死亡している時でも、本登記の前提として、相続の登記をすることを要しない。」(昭35.5.10民三328号)
※2の場合と異なることにいづいてください。仮登記の場合には、登記簿上に順位確保のために、仮登記で新たに順番が確保されている状態です。相続登記を入れても、そのあとの順位となり本登記の際、結局相続登記は抹消の運命をたどることになるために、便宜相続登記の省略を認めています。
4.買主側の死亡による相続発生は?
農地法の許可到達前に買主が死亡した場合には、その買主に対してされた許可は無効であり、相続人が当該許可を証する情報を提供して、所有権移転登記の申請をしても受理されません。(昭51.8.3民三第4443号)この取り扱いは、買主の相続人が農業適格者としての資格を有するとは限らないため、相続人が改めて許可申請をし、売主から相続人へ移転登記を行う必要があるためです。
5.まとめ
農地法の届出は、相続などによるケースであり、一般に売買などによる移転の際には農地法3条の許可が必要となります。
農地法の許可には、以下の3種類あります。
①農地法3条許可 農地を第三者に売買等により所有権を移転する場合
➁農地法4条許可 所有者はそのままで農地を宅地などの地目変更する場合
③農地法5条許可 売買等で所有者が変わって地目変更をする場合
※農地法の許可については、行政書士の業際になります。
農地に関連する相続が発生した場合、通常ですと農地法3条の3の届出になりますが、生前に売買などが発生していた場合には注意が必要となります。よくわからない場合には、専門家に相談するようにしてください。
令和7年2月12日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
「法律は知っている者の味方」という考え方は、特に相続において重要な意味を持ちます。相続の手続きにおいて、法定相続人は相続財産というプラスの財産を受け取る権利だけでなく、借金などの負の遺産を引き受ける義務も存在します。つまり、相続は財産だけではなく、被相続人(亡くなった人)の負債も含む全ての資産・負債が対象となるため、「負の遺産を受けたくないが、正の財産だけ欲しい」という要求は法律上通るものではありません。
2024年4月から相続登記が義務化されることにより、不動産の相続手続きを放置することができなくなりました。これにより、相続人は不動産の名義変更を行わなければならず、多くの方が自分で相続登記を行おうと考えるケースも増えています。しかし、単純な相続ならばともかく、相続人が複数いる場合や、遺産分割協議が必要な場合には、手続きが非常に複雑化し、専門知識が求められます。こうした場面で、司法書士という専門家の存在が重要になってきます。
生前贈与は、相続税対策として広く利用されていますが、2024年(令和6年)1月1日以降の税制改正により、これまでと異なる規定が導入されました。特に「組戻し」期間の変更や課税対象に影響を与えるため、慎重に進めることが必要です。ここでは、重要な3つの注意点に絞って解説します。